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ガンの予防に最適
胃がんの予防
毎日のみそ汁が、胃がん予防に。 みそ汁をよく飲む人ほど、 死亡率は低くなります。“みそ汁を飲む頻度の高い人ほど、胃がんによる死亡率が低い”
これは1981年に、国立がんセンター研究所の平山雄博士によって発表された「みそ汁を飲む頻度と胃がんの死亡率との関係」の調査結果です。
みそ汁を飲む人と飲まない人を比べると、とくに男性では、全く飲まない人の死亡率は、毎日飲む人に比べて約50%も高いというものです。
これは胃がんだけではなく、心筋梗塞、肝硬変などの場合にも同じような傾向がみられます。
肝臓がんの予防
肝臓がんの予防に、みそは有効。食べ続ければ、腫瘍ができても大きくなりません。みその成分中には、肝臓がんの発生を抑える作用のあることが、実験で確かめられています。肝臓がんが自然発生する系統の雄のマウスに、「標準のえさ」と「みそ入りえさ」をそれぞれ16カ月間与え続けたところ、みそ飼料を与えたマウスは、腫瘍の数が減って小さくなり、また発生率も大幅に減りました。
参考文献: 広島大学名誉教授 伊藤明弘氏
「動物実験でわかった、みそのがん予防効果」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年
乳がんの予防
みそのがん予防の中でもとくに期待できるのが、乳がんです。みその抗がん効果の中でも、最近、とくに注目されているのが、乳がんです。
みそには、フィト・エストロゲンという植物性の女性ホルモン作用物質が含まれていて、乳がんの発生を抑えると考えられています。
参考資料:国立がん研究センターがん予防・検診研究センター
美肌効果
きめの細かい
すべすべのお肌
みそには、メラニンの合成を抑える働きがあり、シミやソバカスを防ぎます。メラニンは皮膚や毛髪の色を決める物質です。
紫外線などの刺激に反応して増加すると、シミやソバカスができます。
みそに含まれる遊離リノール酸には、メラニンが合成されるのを抑える働きがあります。
昔からみそを造る人の手は白くすべすべしているといわれますが、毎日みそ汁を飲むことで、美肌効果が期待できるのです。
参考資料:味噌サイエンス最前線 農林水産省東北農業試験場・畑地利用部流通利用研究室研究室長・農学博士新本洋士
「みそに含まれる遊離リノール酸にメラニン合成抑制作用を確認」
味噌汁の塩分は
多くない
味噌の成分、栄養価
「みそ」や醤油は高血圧の原因ではないかもしれない日本人の醤油と「みそ」の一回当たりの平均的な摂取重量(=ポーションサイズ)は高血圧の有無とは関連がないことがわかりました。これは、醤油や「みそ」を1回当たりに食する量が多い人ほど、野菜や果物を食べる量も増え、血圧を下げることが報告されているカリウムの摂取量が増えたこと、さらには醤油や「みそ」自体がカリウムを多く含む大豆から造られているため、醤油や「みそ」を多く食べればカリウムの摂取量も増えるから、などが理由として挙げられるだろうとしています。
参考資料:国立研究開発法人 医料基盤・健康・栄養研究所:伝統的な日本の調味料であるしょうゆとみそのポーションサイズと血圧の関係 2012年-2016年の国民健康・栄養調査の結果から
味噌の塩分量
近年、健康のために減塩食が勧められています。 食塩は生体の維持に欠かせないミネラル。とり過ぎると高血圧症や心臓病の原因になりますが、不足すると食欲不振や倦怠感などが起こりやすくなります。適度にとることが大切なのです。
多くの加工食品が減塩の傾向にありますが、みそは発酵作用におよぼす塩の影響が大きく限度があります。
しかし、みそはそのまま食べることがほとんどなく、塩分含有量の比較にはあまり意味がありません。 右表はみそ汁にしたときの塩分摂取量を他の食品の1回の 摂取量と比較したものですが、みそ汁の塩分は必ずしも多くありません。
具をたっぷり入れるなどの工夫でさらに減らすことができます。
また、塩に含まれるナトリウムは過剰に摂取すると高血圧などの原因になりますが、カリウムを同時に摂取すると排泄されやすくなります。
カリウムを多く含む緑黄色野菜や芋類、海藻類のワカメなどと組み合わせれば、とり過ぎを防ぐことができるわけです。
健康に良い
成分がたくさん
大豆たんぱく質の
約60%が水分に溶ける
みその主原料である大豆のタンパク質は、質的に非常に優れている半面、煮たり、煎ったりという通常の調理法では、消化吸収が悪いという難点があります。しかし、みそに製造された場合は、この大豆タンパク質が酵素によって加水分解され、約60%が水分に溶け、約30%がアミノ酸になっています。また、炭水化物もブドウ糖化しています。ところで、私たちの体内における消化作用も、消化液に含まれる酵素による分解作用です。つまり、大豆をみそという形で摂取することは、タンパク質をより消化しやすい状態で取り込むことになります。従って、みそは大豆そのものを食べるよりも、栄養素の吸収消化がたやすくなるわけです。
優れたたんぱく源
である大豆
みそが優れたたんぱく源であることは、主原料である大豆のアミノ酸のバランスがとれていることや、たんぱく質が酸素などの働きで消化吸収しやすい状態で存在することからもわかります。また、大豆の脂質には、リノール酸(不飽和脂肪酸)が多く含まれ、血中コレステロールを下げる働きがあります。
このように、みそにはさまざまな健康によい成分が含まれており、食品の持つ三次機能(体調を調整する機能)として注目されています。
みその成分に期待される主な三次機能は
(1)コレステロール制御
(2)抗腫瘍性
(3)抗変異原生
(4)放射性物質の除去
(5)胃潰瘍防止効果
(6)抗酸化作用(抗酸化物生成抑制作用)
の6つです。
参考資料:みそサイエンス最前線
血中コレステロール値を改善する大豆・7つの成分
コレステロールを排出する成分と、吸収を阻害する成分の相乗効果
国立健康・栄養研究所応用食品部食品栄養評価研究室長
辻 啓介氏
味噌の香りは
種類によって違う
みそは種類ごとに独自の香りがあります。概して醸造期間の短い淡色みそは軽い香りで、醸造期間の長いみそほど濃厚な香りがします。また、米麹を多く使った米みその甘みそは、甘い香りがしますし、麦みそは麦みそ特有の香りが、豆みそは豆みそ独自の香りがします。
この香りの成分は、みその熟成中に酵母や乳酸菌の発酵によって生成された、アルコール、有機酸、エステルなどが入り混じったものです。
また、麦みそ特有の香りは、麦特有のフエルラ酸、バニリン酸などが関係しています。
参考資料:みそサイエンス最前線(みそ健康づくり委員会)
宮城県味噌醤油工業協同組合
みそを知る(みそ健康づくり委員会)